キャベツはハムスターに与える定番の野菜の一つなのですが、似たような名前の野菜に芽キャベツがあります。キャベツの新芽のようにも思える芽キャベツですが、実はこの芽キャベツはキャベツとは別物でして、ハムスターに与えるには注意が必要な野菜です。
この記事では、芽キャベツとキャベツの違い、および芽キャベツをハムスターに与える危険性についてお伝えします。
芽キャベツはハムスターに与えないで
芽キャベツはハムスターに与えないほうがよい食べ物です。
ハムスターに適さない理由
キャベツに比べて多種成分が豊富に含まれている芽キャベツですが、アブラナ科の植物に含まれる「ゴイトロゲン」という成分、この成分も芽キャベツには豊富に含まれています。
芽キャベツに含まれるゴイトロゲンの成分量はキャベツの約20倍、との数字もあります。
この「ゴイトロゲン」は反栄養素(有害な栄養素)でして、悪い働きがあります。
甲状腺機能を低下させ、心臓の活動が減退し、細胞への酸素供給不足(ガンの主因)をもたらします。体内でヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺ホルモンの成長に影響を与え、甲状腺肥大や甲状腺機能の低下、腫瘍の原因になる可能性があります。
甲状腺障害の症状には以下のようなものがあります。
- 体重増加
- 身体の震え
- 意欲低下(元気がなくなる)
- 皮膚の障害・脱毛
- 色素沈着
- ふらつき
最終的には亡くなる、恐ろしい症状です。
人間でも甲状腺の異常がある場合はゴイトロゲンを含む食物の摂取を制限するよう医師から指導されるそうです。
なお、反栄養素とは、植物が外的から食べられないように持っている生物毒だそうです。
反栄養素を含む食材としては、大豆が有名で、大豆が含む反栄養素はゴイトロゲンの他に、フィチン酸塩、酵素阻害物質があります。だから大豆は加工してから食べるのですね。
芽キャベツとキャベツの違い
芽キャベツとキャベツは全く違う種類です。
どちらも同じアブラナ科アブラナ属の野菜なのですが、芽キャベツはキャベツの変種でして、スーバー等で売られているキャベツと同じものではありません。
トマトとミニトマトのような品種によるサイズの違いといった関係でもなく、キャベツと芽キャベツは、そもそも実のなり方からして異なります。
キャベツは株の中央の芽が結球していき大きな塊となります。一つの株からキャベツ1玉とれます。
これに対して、芽キャベツは長い茎の表面にブドウやツボミのような玉がたくさんくっついて成長します。葉の付け根のわき芽が結球したものです。
下の画像が芽キャベツです。これを見ていただければ、キャベツと全く異なることがイメージして頂けると思います。
芽キャベツについて
芽キャベツは栄養豊富な野菜として知られています。ビタミン類がとても豊富に含まれており、野菜の中では最も含まれております。
特にビタミンCはキュウイやいちごの倍、キャベツの4倍です。ビタミンCは抗酸化作用により老化やがんから身体を守ってくれます。
また、貧血や動脈効果の予防に効果がある葉酸はキャベツの約3倍、高血圧や動脈効果の予防に効果があるカリウムもキャベツの約3倍含まれており、さらに食物繊維は約3倍、ビタミンB2は約7倍、βカロチンは約14倍と、キャベツよりもとっても栄養豊富な野菜であります。
以上のように栄養が多量に含まれた芽キャベツなのですが、小動物に与えるには問題になる成分「ゴイトロゲン」も多量に含まれています。
どうしても与えたい場合
ただし、ゴイトロゲンは、加熱をすることで含有量を減らすことができます。
このため、例えば芽キャベツを茹でた後ならハムスターに与えても大丈夫なのかもしれません。
ですが、茹でてしまうと、他の栄養素も抜けてしまいますので、そもそも芽キャベツを与えるメリットが無くなってしまいます。
何より、茹でた野菜は水分量がとても多く、下痢を気をつけなくてはいけないハムスターにとって、よい与え方ではありません。
このため、私は推奨しません。
私の場合
我が家のハムスターはキャベツが好物で、週に1回以上は与えております。野菜のバリエーションを増やそうと思っていたところ、近所のスーパーで芽キャベツを見かけました。大きさが小さくなった以外は見た目がキャベツそっくりなので、当時の知識のない私は、芽キャベツはキャベツの新芽のことだと思ってしまいました。
しかし本記事のようこれは誤りでした。
ハムスターに与える前に運良くこの勘違いに気づいたので、私は芽キャベツをハムスターに与えずに済みました。このことを他の方とも共有したいと思ったことがこの記事を書くきっかけです。
「芽キャベツはキャベツと別物、ハムスターには与えないで」のまとめ
芽キャベツは栄養豊富ではありますが、「ゴイトロゲン」という甲状腺に影響を与える成分を多量に含んでおります。このため、そのままハムスターには与えないほうがよい食べ物です。
ただ、例えば芽キャベツを一つだけ与えたからといって、ハムスターが直ぐに死んでしまうとか、そういった話ではありません。
また、「ゴイトロゲン」を含むアブラナ科の植物は芽キャベツ以外にもあります。ハムスターによく与える野菜であるキャベツやブロッコリーもアブラナ科です。
だからといってこれら全てを避けていては与える野菜が無くなってしまいます。
私は程度の問題かと考えております。危険を知った上で与えるべき食べ物を適量を与える、これが大切かと思います。これが飼い主の責任のひとつだと思うのです。
そう考えた時に、あえて芽キャベツを与える必要はない、が私の結論です。
それでは、よいハムライフを!
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